ローマのアプレイウスという人が書いた小説の有名な一挿話。(呼称は、なじみのある英名で。)
人間の少女プシュケーのあまりの美貌に、百戦錬磨の美の女神、ヴィーナスがヤキモチを焼きます。
ヴィ「人間のくせにこしゃくな。キューピッド、お前の矢で、プシュケーが、世界で一番の醜男に惚れるようにしておしまい!」
神なのに、せこいです、ヴィーナス。
キュ「オッケー、ママ。行ってくるよ。あ、プシュケー発見。なんて美しいんだ。あ、痛い、間違えて自分の矢で、自分を傷つけちった。プシュケーLove!さぁ、プシュケー僕の宮殿にいらっしゃい、でも夜だけ君に会って、朝には実家帰るから。あと僕の顔見ちゃダメよ。」
理不尽です。でも相手は神様だからしょうがない。
プ「あぁ、彼の正体を知りたいわ。寝ている間にちょっとのぞいちゃえっ。・・・!!は、羽がはえとる〜〜〜!」
キュ「(プシュケーの持っていたランプの油が落ちて)アチッ、あぁ、プシュケー約束破ったね、さようなら。」
ヴィ「キー、かわいい息子をたぶらかした上に、火傷までさせるとは!(しかも美人とは!)許さーん!」
プ「どうか、彼との結婚を許してください。」
ヴィ「(許すわけないやろ。無理難題をふっかけて、なきものにしてやる、フフ。)コレとコレとコレを持ってきたら許してあげるわ。」
まるで、昼ドラの姑です。
プ「プシュケー頑張るっ。」
そんなこんなでプシュケーは頑張りまして、他の神々からの助力を得たりしつつ、過酷な試練をなんとか乗り越え、やっとヴィーナスからお許しが出て、めでたくキューピッドと結婚できたのでした・・・、と超要約するとこんなお話。
で、この絵は、キューピッドがプシュケーを天上につれて行くハッピーエンドの場面。
見てください、このプシュケーの「ワタシ、シ・ア・ワ・セ〜」な顔。
ウィリアム・アドルフ・ブグローは高度なテクニックで、このような甘〜い、クネっとした女性や天使や子供の絵をたくさん描いた、19世紀フランスの画家。
あまりにも甘美でうっとり系の作品群を見ていると、ちょっと気恥ずかしく、むずがゆくなりますが、このプシュケーの幸せ顔には降参。
ちなみにプシュケーのシンボルは蝶。この絵のように、蝶の羽を持っていたり、蝶がまわりに飛んでいたりすることが多いです。
魂・心を象徴するPsyche(プシュケー)は、psychology(心理学)の語源なのだそう。
まさしく「魂」(プシュケー)が「愛」(キューピッド)を求める、ブグローの絵にぴったりのストーリー。
画像:ブグロー作「プシュケーの誘拐」。キューピッドは優男風。
あはは、面白く分かりやすくありがとう!
返信削除この幸せ顔・・・すごいね、脱帽。
その後の二人はずっと幸せだったのだろうか?
嫁、姑のドロドロ劇にならなかったんだろうか?
気になるわ~~~
絵の背景にある物語を知るとさらに面白いね。
あははは☆
返信削除nao翻訳、めっちゃおもろい!!ホントわかりやす〜
そうやりながら、絵のお勉強なんて
あんたはエライ!!(あ、このギャグは知らない?)
★hibaちゃん
返信削除でしょでしょ。
この顔みたら、「よかったね〜、お幸せに」と言わざるを得ない!
でも、ヴィーナスの性格からして、きっとプシュケーいびられただろうなぁ、と私も予想しますっ。
★sachiさん
nao翻訳、楽しんでもらえて嬉しいな♪
また、お勉強の成果を少しずつ紹介して参ります☆
「あんたはエライ!」フレーズしか知らなかったのですが、
小松政夫発祥だったのか〜(笑)
おひさしぶりです~。プシュケーのエクスタスィー(byジミーちゃん)な顔がかわゆいですねぇ。もしや脚色の才能もあります??シリーズ化して欲しいぐらいオモシロす!
返信削除ところでこちらのブログはリンクフリーでしょうか?
★せらさん
返信削除彼の絵はアヘアヘウヒハ(by寛平)なカワユイ女子がいっぱいですよ。
てんてんむし流西洋絵画劇場、シリーズ化していきたいなぁ。ひかれない程度に俗っぽく(笑)
リンク、ぜひにぜひにお願いします♪