最近はキノコネタばかりだったので、久々に西洋絵画のお話を。
今回は新約聖書に出てくる妖しく美しい女性サロメのエピソード。
ヘロデ王、ヘロデア王妃の娘サロメ。
実はヘロデ王は義理父で、サロメの実父はヘロデ王の弟。(ヘロデアは夫の兄と結婚したことになる。)なのでサロメからすればヘロデ王は義理父でありながら伯父という関係。
実はヘロデ王は義理父で、サロメの実父はヘロデ王の弟。(ヘロデアは夫の兄と結婚したことになる。)なのでサロメからすればヘロデ王は義理父でありながら伯父という関係。
そいで、洗礼者ヨハネが「兄弟間で同じ人と結婚するなんてよろしくない、汚らわしス!」と父ヘロデ王を非難したことで、母ヘロデアが切れて「ヨハネむかつく、逮捕!」とヨハネを牢獄にぶちこんだのですね。
ある日の宴の席で、サロメがそれはそれは見事な舞を披露して、とても喜んだヘロデ王が「褒美に欲しいものを何でもやろう」と言うと、サロメは「ヨハネの首をくださいな」ってことになりまして、ヨハネは斬首されてしまいます。
なぜサロメはヨハネの首を所望したかといいますと、腹の虫がおさまらない母ヘロデアが「ヨハネの首にしいや」とサロメに耳打ちしたからなのでした。
男を惑わすファムファタル(運命の女)の代表とされるサロメですが、どちらかというとヘロデアのほうが悪女ですよねー。
サロメ(もしくはヘロデア)がヨハネに激しく恋してたけど、全く相手にされず、可愛さあまって憎さ100倍、「殺してしまえば自分のものになるわね♪」ってことで首を欲したとも言われます。ヨハネ、モテモテやん、モテ期やん。
なんにせよ女って怖いですよねー。
こんなドロドロの愛憎劇が聖書にあるってのもオモシロいですよねー。
このお話は多くの画家にインスピレーションを与え、サロメ主題の名画がたくさん生まれました。みんな魔性の女には魅かれるんですね、やっぱり。
ではサロメ作品を少しだけご紹介。
盆にのせられたヨハネの首とセットで描かれることが多いです。
まず、上の絵↑↑↑。
サロメと言えば“モロー”さんでしょ、てくらいモローはこの主題が大好物。
タイトルは【出現】
浮き上がるヨハネの首が生々しい、血垂れてるし。
この時点で、まだヨハネは殺されてないので、生首はどうやらサロメの幻影らしい。
言わずと知れたルーブル美術館所蔵の一品、水彩で描かれてます。
ちなみにマイベスト モロー's サロメはコチラ
2作品ともヘロデ王とヘロデアが後方におりますよ。
『シュトゥックのサロメ』
これまた妖艶なサロメだけど、衣装のフリフリが腰ミノみたいでフラダンサーに見えてしまう。後ろに控えてるヨハネの首持った生き物(お猿の惑星にでてきそう..)がおかしい。
『ティツィアーノのサロメ』
さすが巨匠のサロメはお上品、生首持ってるけど。
『クラナハのサロメ』
顔怖い、どっちも。
サロメ特集おしまい。