2009年11月20日金曜日

私の読書レビュー 2009・冬

どんど寒くなりますね。本格的な冬に向かっていくこの時期が1年の中で一番好きです。

この季節はやっぱり村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」。何度読んでもあきない私の“殿堂入り小説”のひとつです。

今の気分はミステリー・サスペンス系。古い作品も含まれますが、最近読んだ本をいくつか紹介しますね。今回も『独断と偏見5ポイント制』です。

ではでは、まいりましょ〜う! じゃかじゃ〜ん☆

『犯人に告ぐ(上下)』雫井脩介著
★3.5pt
連続児童殺人事件の犯人の手がかりが全くつかめず、警察はTV局と手を組み、史上初の劇場 型捜査が始まる・・・というお話。映画化されているからきっと面白いハズと思って読んでみました。上下巻ありましたが、あっという間に読破。過去の失態から、一皮むけた主人公の警視・巻島がかっこいい。他の登場人物もとてもキャラが立っていて魅力的でした。さまざまな圧力をかけられても、犯人逮捕を第一優 先に戦う巻島を、もっとやってやれー、と応援してました。緊迫感のあるストーリーの中で、巻島の数少ない味方、老刑事の津田や部下の本田とのやりとりに ホッとします。巻島が最後に犯人に告ぐ台詞「今夜は震えて眠れ」にしびれました。

『ストロベリーナイト』誉田哲也著
★3.2pt
溜池近くの植え込みから、ビニールシートに包まれた男性の惨殺死体が発見され、事件は連続殺人事件に展開。謎の言葉「ストロベリーナイト」が何か明らかに なったとき衝撃の結末が!・・・というお話。とにかく描写がエグい。あまりにエグくてムカムカ気持ち悪いんだけど、顔を覆った手の隙間から覗いてしまう、みたいな。物語のスピード感もありつつ、登場人物も個性豊かで満足。クセがあるけどお気に入りのキャラ、井岡にもっと活躍して欲しかったかな。第二弾のソウルケイジも続けて読んだのですが、ストロベリーナイトのインパクトが強すぎて印象が薄かったなぁ。

『チャイルド44(上下)』トム・ロブ・スミス著
★3.2pt
連続殺人という犯罪の存在を認めない国家により、44人もの子供の命のを奪った殺人鬼が野放しになっていた。そのことに気づいた主人公の国家保安省捜査官レオは、 秘密警察に追われつつも、すべてを捨てる覚悟で殺人鬼を追う・・・というお話。文庫の装幀が気に入ったのと、いろいろ絶賛されているらしいとのことで、読んでみる事に。何が怖いって国ですよ、国。スターリン政権下のソビエト。こんな恐ろしい時代があったのですね。貧困や制裁の描写はすさまじいモノがありま す。暗ーい、重ーい舞台設定だったにも関わらず、物語がスリリングで疾走感があったので結構サクサク読めました。この作品はロシアでは発禁なのだそう。そして、リドリー・スコット監督で映画化するそう、怖いけどちょっとみてみたい。

『悪夢のエレベーター』木下半太著
★2.5pt
後頭部の強烈な痛みで目を覚ますと、緊急停止したエレベーターに、ヤクザ、オカマ、自殺願望の女と閉じ込められていた。浮気相手の部屋から出てきたばかりの小川は大ピンチ。精神的に追い詰められた密室で、ついに事件が!・・・というお話。テンポがよく、ミステリーなんだけどユーモアたっぷりで読みやすかったです。珍しく途中で「ぷっ」と吹き出したりしました。半分コメディ、半分ミステリー。これも映画化されたみたいですけど、舞台化もされていて、小川の役に大好きなラーメンズの片桐仁がっ!この感想文書くまで知らなかった。

『向日葵の咲かない夏』道尾秀介著
★2.5pt
夏休みに入る終業式の日、ミチオはS君の家を訪れたが、S君は首を吊って死んでいた。その後、死体は忽然と消え、1週間後、S君はあるものに姿を変え、ミチオの前に現れ「僕は殺されたんだ」と訴えてきて・・・というお話。最初ファンタジー要素のある小説なのかなと思いながら読み初めると、なかなかダークな内容でした。最後のオチはよめなくて、ドキドキしながら読み進めましたが、伏線を張っている箇所がちょっと分かりやすかったかな。

『告白』湊かなえ著
★2.5pt
我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のホームルームで犯人の少年を指し復讐を宣言する・・・というお話。ひとつの事件に関係している人物達の視点から 語られるモノローグ形式が新鮮でした。秀逸なストーリーテリングだと思うのですが、誰かに感情移入するのが少し難しかったかな。読後感はいいものじゃない と聞いていましたが、「ハッピーエンドで良かった、爽快♪」という類いの内容ではないので、この終わり方に納得。

『Jの神話』乾くるみ著
★2pt
全寮制の名門女子高で次々と怪事件が。聖なる女子高に潜む悪魔の正体は!?・・・というお話。ストーリーが進むにつれて、え・え・エ〜〜!?いいの?ありな の?とびっくりします。あまりの突拍子のなさと女探偵「黒猫」のダメダメ加減に笑えます。ジャンル分けし得ないストーリー展開。乾作品は「リピート」と「イニシエーションラブ」を読んでますが、ショッキングという意味では1番だったかも。

『復讐はお好き?』カール・ハイアセン著
★2pt
結婚記念旅行中、夫に船から海に突き落とされた主人公の女性ジョーイ。元捜査官ミックに助けられた彼女は、彼と手を組み、自分を殺そうとした夫への復讐を決意・・・というお話。意地悪な復讐劇を痛快に描いています。軽く楽しめるストーリーだったのですが、濃い作品ばかり読んでいたからか、他と比べてちょっと印象薄いかなぁ。キャラクターに、もっとぶっとんでる人がいても良かったかも。

以上、最近読んだミステリー・サスペンス系小説ランキングでした☆

2 件のコメント:

  1. 一杯読んでますねw

    私は、浅田次郎の蒼穹の昴を読んでいます。

    浅田次郎の本を読むのは初めてですが、

    彼の描写は出てくる人、皆にスポットが当たり、

    全員が主役になっています。

    描き方が旨いので、引き込まれますよん。('∇')


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  2. ★タロウさん
    こんにちはー☆「蒼穹の昴」ちょっと調べたのですが、なんかとってもスゴそう!歴史モノにあまり手を出さない私も、とっても興味がわきました。機会があれば読んでみます♪

    浅田次郎作品わたしは「プリズンホテル」(春夏秋冬のシリーズ4作)を読んだことがあります。心温まる人情喜劇に、幸せな気持ちで泣けます!


    (※こちらのコメントは旧ブログから移行したため、表示された日付・時間は移行作業した時点のものになっています。)

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